
7月9日
彼女が欲しいって言っていた野球場のライトポウルの真下にいます。彼女は僕より年上で、髪が長くて目が大きくて、他の人には冷たいけれど僕にだけはやさしくて、私の欲しいものをくれるのならば僕のことを好きになってあげてもいいわと言ってくれる。彼女は僕よりお金持ちで黒い大きな車にはいつも運転手さんが乗っていて、僕の働くお店に来るときにはいつもおつきのひとが一緒なのです。そんな彼女がある日僕に言ったのです。
「野球場を照らしているあのライトポウルが見えるでしょ。あれが欲しいわ。あれをくれたらこれからもお友達でいてあげる。だけどくれないのなら今日でお別れにしましょう。私は他にあれをくれる人を探さなきゃいけないから。」
その日から僕は毎日ここにいます。誰にライトポウルを売ってもらえばいいのかわからないから、もし持ち主の人が点検をしにやってくるかもしれないから、そのときに売ってもらえるように、またいくらで売ってもらえるのかを聞いてみるために、毎日ここにいるのです。
だけど毎日ここに来るのは僕とこの白い小鳥の二人だけです。
7月11日
今日は雨なので僕は家にいます。小鳥さんが心配でたまりません。